■　コラム　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電子書籍で流通している主なフォーマット
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現在、日本にはさまざまな電子書籍ストアがありますが、
流通している主なフォーマットはEPUB、mobi、xmdf、dotBookの4種類。

このうちxmdf、dotBookはフィーチャーフォン（従来の携帯電話、
いわゆるガラケー）で広く使われてきたフォーマットで、
現在はEPUB、mobiに移行しつつあります。

電子書籍には、文芸書やビジネス書などテキスト中心の「リフロー型」、
コミックや写真集など画像を中心とした「フィックス型」があります。

今回は当社で制作しているリフロー型のうち、
EPUB、mobiの中身と作り方を簡単に説明します。


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■ リフロー型「EPUB」の中身と作り方
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EPUBはXHTMLファイル、CSSファイル、METAファイルで構成され、
簡単に言うとこれらをzip圧縮して拡張子を「epub」に変更したものです。
ネタ（コンテンツ）とパソコンとテキストエディタさえあれば
誰でも無償で制作できます。

ファイルをzip圧縮しただけのデータであるため、
DRM（Digital Rights Management：著作権保護）はかけられていません。
つまり、EPUBを解凍すれば中のXHTMLファイルやCSSファイルが見られます。

日本でEPUBを配信できる主なストアはアップルのiBooks、楽天Kobo、
BookLive、honto、紀伊國屋書店BookWebPlusなどがあります。

ユーザーはこれらのストアでコンテンツを購入し、
専用のアプリを通して直接ダウンロードすることで
電子書籍で閲覧（読書）できます。

専用アプリでしかデータが読み込めない（アプリからデータが取り出せない）
ことで、データのコピーを防ぎ、著作権が保護される仕組みになっています。

各アプリでユーザーがテキストサイズやフォント、背景色などを
変更できることが、紙の本にはない大きな特徴です。

EPUBで表示されるのはXHTMLファイル内に書かれた文字であり、UTF-8に対応。
Shift-JISの第二水準までだったxmdf、dotBookと比較すると
再現できる文字数に格段の違いがあり、
外字画像をほとんど使わない電子書籍の制作が可能です。

またCSSファイルと組み合わせることで、
紙の本によくあるリード文の囲み罫のような装飾ができ、
見やすさ、読みやすさを工夫をすることができます。

EPUBは「Adobe Indesign」から直接書き出せますが、
「タグが複雑になる」「ルビタグが正しく処理されない」といった
不具合があり、手直しに時間がかかるため、あまり使われていません。


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■ リフロー型「mobi」の中身と作り方
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mobiはAmazonのKindleストアで配信されるフォーマットで、
Amazonが販売しているKindle端末やiOSのKindleアプリ、
AndroidのKindleアプリで閲覧可能です。
mobiファイルは、完成したEPUBをAmazonが配布している
「Kindlegen」というツールでコンパイルすることで生成されます。
KindlegenでEPUBをmobiファイルに変換するには2つの方法があります。
1. KindlePreviewerを使う方法
KindlePreviewerはコンテンツ制作者がパソコンのデスクトップ上で
mobiを表示させるためのツールです。

起動後、EPUBファイルをKindlePreviewerのウィンドウに
ドラッグ＆ドロップすることでmobiファイルに変換してくれます。

裏側ではKindlegenが動いており、EPUBからmobiへの変換を行います。
変換が終わるとKindlePreviewerにmobiが表示され、
KindlePaperWhiteと同じ表示をデスクトップ上で再現できます。
変換されたmobiファイルは、EPUBと同階層に「Compiled-XXXXX.epub」
といったフォルダが生成されるため、
このフォルダ内のmobiファイルをKindlePreviewerに読み込むことで
いつでも表示が可能です。

とても手軽な変換方法なので、初心者にオススメです。

KindlePreviewerは起動時にアップデートを確認するため、
常に最新版のKindlegenでmobi変換をすることができます。
2. Kindlegen.exeを使う方法
こちらはコマンドラインでの作業となるため上級者向きです。

少々スキルが必要になりますが、
日々データ制作に追われる技術者にはこちらが好まれるようです。

KindlePreviewerもKindlegen.exeもAmazonが無償で配布しています。
mobiファイルは暗号化されているため
テキストエディタなどでは開けませんが、もとはEPUBなので、
表現領域は前述のEPUBのXHTMLとCSSで設定された範囲となります。

一太郎などのワープロソフトからEPUBを書き出したり、
livedoorブログのようにブログからEPUBを書き出すサービスも
増えてきているため、KindleストアやiBooksでの
セルフパブリッシング（個人出版）が日本でも徐々に普及しつつあります。


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■ ほか、参考サイト／記事はこちら
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Kindle Comic Creator
http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html?ie=UTF8&docId=3077699036
電子書籍であなたもベストセラー作家になれる？
http://bylines.news.yahoo.co.jp/hiroyukiozaki/20130424-00024528/
旧作自主出版でベストセラー・ランク入り
http://www.ebook2forum.com/members/2013/05/hybrid-authors-target-bestseller-list-with-a-dollar-ebooks/

萩原印刷株式会社
クロスメディア部 一同



■　後記　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電子書籍を読んでも作るなんて・・・
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電子書籍は読んでも作るなんてこと考えたことなかった配信担当者です。
私でも作れるかもしれない！！って思っちゃいました。

でも文才とかそういうのないんですよね、それでは無理ですよね（笑）

弊社では、出版印刷から電子書籍まで一貫して作成することもしばしば。
印刷データを入稿していただければ、同じデータで紙の本や電子書籍にも
なるんですね。
近くで見ていてすごいなあと感心する日々な配信担当者なのでした。


クロスメディア部 配信担当