当社は2025年4月に創業100周年を迎えます。この長い歴史を刻むことができたのは、従業員の皆さま始め、お世話になっているお客様、協力会社様、メーカー及び資材関係の皆様、そして関係者の皆様のご支援の賜物と心から感謝しております。4月になりましたら丁寧にお客様を訪問して100周年の報告をする予定です。
　この後楽地域でも私が入社した時代（1977年当時）には15社程度印刷会社がひしめいていました。今は3社程度に減少しています。あらためて100年という長い年月を考えると、どの時代のどんな時でも経営者と従業員が共に手を携えて懸命に生き残りをかけて努力されたことが良く理解できます。祖父の時代には太平洋戦争があり、父の時代は戦後の復興からのスタートでした。母の時代は頼りにしていた父社長が病で急逝して大黒柱を失っての社長就任でした。そんな時代を経て100年存続できた理由は3つあると思います。
　一つ目は何事にも挑戦する気概、つまりチャレンジ精神です。祖父の時代も会社が順調に成長すると、組版、鋳造機、製本など矢継ぎ早に事業を拡大させます。父は印刷の品質を向上させるため、ゴムローラーを膠のローラーに変えてお客様の評価を獲得します。母は時代の波に乗り、活版からオフセット化、活字組版からデジタル化、さらには総合印刷へと会社を一気に成長させます。尽きる事のない挑戦意欲が会社を押し上げていきました。
　二つ目は創意工夫と努力です。日々の仕事に小さな創意工夫を積み重ねながら品質の安定と向上に努めました。一方ではお客様との信頼関係を深めて確固たる関係を築いてきました。社内旅行にはいつでもお客様をお誘いして楽しんで頂いたり、編集会議を弊社で行いその後の懇親会も会社で準備してあげました。そうした努力を子供として毎日見て育ちました。会社を存続し発展させるためには、1から10まで努力の積み重ねしかないと子供心に思いました。そして常に時代と環境に合わせて、業態変革を行う努力もし続けて来ました。
　三番目は従業員との信頼とコミュニケーションです。歴代の社長は常に誠実溢れる熱意を持って会社経営を行って来ました。100年の間に一度も内部の分裂などなかったことがその証です。そして社員の皆さんを信頼して仕事をお任せしてきました。社員の方も経営者を親族のように慕ってくれて、大家族のような雰囲気で会社を経営することができました。このことを心から感謝しております。　
　次の100年に向けて、お客様の期待を超える価値を提供し続ける「挑戦」と「進化」を重ねていきます。社員一人ひとりが新たな価値創造に関わり、未来に誇れる会社を築いていきましょう。
　この記念すべき100周年を機に、新たな価値を創造し、次世代に誇れる会社として成長してまいります。挑戦し続ける意志と社員一人ひとりの創意工夫を糧に、次の100年も皆さまと共に歩んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。