コラム

文学フリマ東京39

営業部

2024年12月1日(日)東京ビッグサイトで文学フリマ東京(通称文フリ)が開催されました。
どんなイベントかというと、簡単に言えばコミケの文学版。主に読み物がメインです。
ですが、写真集、絵本、グッズなども多く、”文学”と付きますが、ちっとも堅苦しいものではなく、幅広いジャンルの「本」が販売されているイベントなのです。
かつては私も出店者の1人として、革装の本や豆本、手製本や本の修理に関するあれこれを書いた読み物を販売していました。
来場者の立場で久しぶりに参加した文フリは、決めた予算以内に収まるか心配なくらい、魅力的な作品であふれていました。

ブースは大学の文芸サークルから、自主制作サークル、出版社、印刷会社とさまざま。
ふと、目に止まったのが『『百年の孤独』を代わりに読む』(早川書房)。前日、本屋へ行った時にたまたま見かけて、気になるなと思っていたところで、それがちょうど置いてあり「昨日書店で見かけました」とお伝えしました。こちらは、代わりに読む人という出版社さんで、代表の友田さんでした。少しお話をしてみると、たまたま萩原印刷の社員と知り合いだと言うことがわかり、何かご縁を感じました。購入したのは新刊の青木淳悟さん著の 小説集『憧れの世界 ーー翻案小説を書く』。青木さん直々にどんな本なのかを教えていただき、「耳をすませば」が好きな事もあり読みたくなりました。

芥川賞受賞された、李琴峰さんも出店していて、ファンの私は購入した本にサインをしてもらいました。ちなみに、李琴峰さんが光文社さんから出している、『独り舞』(印刷:萩原印刷)も、よかったのでお勧めです。

(今回購入した本) 今回の開催から会場が今までの東京流通センターから、東京ビックサイトに代わり、規模が一気に大きくなりました。出店数は回を重ねるごとに増え、来場者も増えています。今回の東京39は出店者、一般来場者合わせ14967人とのこと。世の中では、本が売れないとか書店の減少など、本離れの傾向が目立っていますが、こういったところに行くと、まだまだ元気があり、明るい気持ちさせてくれました。文フリで売れて注目を集め一般流通するようになった本もありますし、小さな芽が開花するチャンスの場でもあり、これからも注目していきたいイベントですね。

また、お客さんの立場からですと著者の方から直接話を聞く事ができ、制作の時の話や、本人の最近の話も聞け、作品とその人と、読者の距離がグッと近くなる、本がもっと身近に感じるイベントだと思いました。

次回文学フリマ東京40は2025年5月11日(日)です。
是非、新しい発見を探しに来場してみてはいかがでしょうか。

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