コラム

『ツミデミック』 が第171回直木賞を受賞されました。

代表取締役 萩原 誠

 7月17 日(水)発表の、第171回直木賞に、一穂ミチさんの 『ツミデミック』(光文社刊)が受賞されました。
 当社で組版・印刷を担当させて頂きました。
 光文社様でも数十年振りの受賞ということで、ご挨拶に伺うと、 社長さんも受賞が決まった直後からお祝いのメッセージがスマホに殺到したと嬉しそうにお話されていました。
 著者の一穂ミチさんは、7月19日付けの朝日新聞の「ひと」の欄で紹介されていました。受賞作はコロナ禍のただ中で書かれた作品で、書名は自身が考えた造語とのことです。
 全6話の短編集で、コロナ禍の中で、デリバリー配達員にのめり込む主婦や人員整理のあおりを食った料理人など、登場人物の誰もが身近な人です。
 「自分だって犯罪をしでかすかもしれない」という切迫感が、コロナ禍で人生が詰んだ人たちの罪にまつわる物語集につながった、と書かれていました。
 また当日は選考結果を待つ間、「緊張にたえかねてビールを飲んでしまった」と受賞会見の冒頭で明かし、苦笑いされたとのことでした。(朝日新聞「ひと」欄抜粋)
 私も読ませて頂きましたが、日常生活の中で何かの拍子に危険な道に入り込んでしまう現状に、現代を生きる危うさをあらためて感じました。とても面白い作品ですので、ぜひ読んで頂ければと思います。
 当社にとっても直木賞の受賞作を手掛けさせて頂くことは、とても名誉なことと共に、出版文化を縁の下で支える印刷会社として、とても誇りに思える機会でした。
 『ツミデミック』 の第171回直木賞受賞、誠におめでとうございました!

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