コラム

新年に思うこと

代表取締役 萩原 誠

 新年あけましておめでとうございます。2023年度も始まりました。今年はウサギ年。会社もぴょんぴょんと跳躍する1年にしたいと思います。先日1月7日に、恒例の川崎大師に初詣に行きました。まずは全従業員とそのご家族の皆さんのご健康とご多幸をお祈りしました。そしてお客様と萩原印刷株式会社がますます発展繁栄することもお願いをしました。いろいろと多難な年になると予想されますが、全社員ワンチームとなって乗り越えてまいりましょう。
 今年は例年と違ってお祝い気分に浸りきれないのは、ロシアによるウクライナ戦争が継続しており、その関係で国際間がギクシャクしていて、世界中が混沌とした新年を迎えているからだと思います。昨年2月24日に始まったこの戦争も来月2月には1年を迎えます。全く終息に向かう気配もなく、各国も長期戦になるだろうという意見では一致しています。
 この年末年始で、気になっていた小泉悠著「ウクライナ戦争」(ちくま新書)を読み終えました。ウクライナ戦争は開戦当時、欧米諸国もウクライナ軍が正規軍としてロシア軍と正面から対抗できるとは思っていなかったようです。なぜなら実際2014年から2015年のクリミア半島における第一次ロシア・ウクライナ戦争においてはロシア軍に対してほとんど歯が立たなかったからです。
 実は開戦後米国政府はゼレンスキー政権に対して、亡命を勧めたとされています。しかしゼレンスキーの返答は、「戦闘が起こっているのはここだ。必要なのは弾薬であって、(亡命するための)移動手段ではない」というものでした。しかもその時点では、ロシア軍を招き入れるウクライナ側の内通者も国内にたくさんいたようです。
 トランプ前大統領はウクライナに対しては冷淡でした。2018年のヘルシンキで予定されていた米露首脳会談の直前、クリミア半島の併合を承認する可能性もあると発言していました。しかしバイデン大統領の姿勢は全く異なっていました。もしトランプ大統領の時代にこの戦争が起こっていたなら、世界は全く違った対応をしていたかも知れず、歴史の不思議を感じざるを得ません。
 プーチン大統領にとっては、ヴォロディミル・ゼレンスキーという政治家の力量を見誤ったことも、ウクライナ側の徹底抗戦する姿勢も、NATOの迅速な結束も全て誤算でした。明らかに判断が間違っていました。
 プーチン大統領がいくら政治的な主張をしても、この戦争におけるロシア側には大義があるとは思えません。一方ウクライナ側は、全国民で自国を守るという痛烈な願望があります。大儀がない戦争に決して勝利はないと思います。
 会社の経営者にしろ、国家の元首にしろ、判断を誤ると大変な禍(わざわい)に陥ると、あらためて考える良い機会となりました。
 この戦争が早く終結することを強く願いながら、当社がお客様と共に発展繁栄できるようあらためて気を引き締める思いです。本年もよろしくお願いいたします。
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