コラム
「印刷業」は「環境適応業」
代表取締役 萩原 誠
4月になり、巷では新年度を迎え、新入社員が入社され、この時期は自然と気持ちも華やいできます。今年は桜が例年より早く満開となり4月にはほとんどが葉桜となりました。
当社にも本社、戸田工場、遠野事業所にそれぞれ1名ずつ新入社員が入社しました。早く会社に慣れて、仕事に人生に頑張って頂きたいと思います。
さて当社も下半期に入りました。残念ながら出版市場は縮小を続けており、上半期は当社もその影響を受けてしまいました。しかし環境や景気のせいにはせずに、下半期は全員の努力で巻き返したいと思います。
それにつけても私たちの業界はメディアを扱う業界なので、技術の進歩や新しいメディアの出現に常に大きく影響されます。そういった意味では我々印刷業界は時代の進化に対応する「環境適応業」と言えます。お客様のニーズを常に先取りして新しいご提案が必要とされます。そのような時代の中で、私たちはお客様が何かお困り事のあるときや相談事のあるときには、必ず一番最初に電話を頂ける「ファーストコールカンパニー」にならなければいけないと思います。お客様に寄り添いながら常に必要とされる会社を目指して行きます。
そんな折に、最近読んだ本で最も興味深ったのが「マッキンゼーが予測する未来」です。この本はサンマーク出版の植木社長に強く勧められたのがきっかけで読み始めました。そこには時代を動かす4つの破壊的な力として「世界の経済の中心がアジアに移りつつある」「さらに加速する技術進化のスピード」「年齢を重ねる意味が変わる=アフリカ以外のすべての国が高齢化社会に突入する日」「貿易、人間、金融とデータの価値」を上げています。これらが未来の世界を大きく変える要因としています。さすがに著者がマッキンゼーの方だけあって、様々なデータを分析して書かれた本でとても説得力がありました。
この本の序章に「人間には、未来は最近の過去とほとんど変わらないものであって欲しいと考えてしまう強い傾向がある」と書かれています。またこうした考えに基づいて意思決定したために、巨大企業という船が浅瀬で座礁し、幾度となく沈没してきたとも書かれていました。
考えさせられる点も多々ありましたが、ともかく環境適応業の印刷会社としてこれからも進取の精神で頑張って行きたいと願っています。