コラム
腰痛の原因が脳にもあった!
総務部
私は20代から10年周期でぎっくり腰になっており、その周期のあい間にもぎっくり腰まではいかなくても・・・という症状に時々見舞われておりました。周りでも腰痛を抱えるかたがちらほら・・・昨年、NHKで興味深い番組がありましたのでご紹介いたします。
この番組で言わんとしたことは、痛みの原因を「痛みへの恐怖」としているところです。痛みの大元は改善しているはずなのに、なぜか痛みが長引く人がたくさんいるというのは、脳にはもともと、痛みを抑える鎮痛の仕組みが備わっているのですが、慢性腰痛の人ではその仕組みが衰えていることがわかってきたということです。
そこで番組では、専門家とタッグを組み、腰痛への恐怖を減らすことで痛みを改善するプロジェクトを行いました。慢性腰痛の方、数人に2つのことをしてもらいました。①腰痛への不安を解消する映像を見てもらうことと、②恐怖心を克服する運動をする、という2つのことをしてもらったところ、高い確率で腰痛がなくなったということでした。
これは一度経験した腰痛に極度に恐怖心が沸いてしまい、また痛くなってしまった、また痛くなるのでは?という不安感が痛みを感じる回路を脳に作ってしまった、という現象だったそうです。この回路をなくすための方法だったわけです。
私も試してみました。①の映像は、お医者さんがレントゲン写真を見ながら、骨のちょっとした変形は誰にもあること、そして不安が強いと腰をかばって、変形を進めてしまう、さらに身体を動かさなくなる、そうすると痛みを悪化させる、ということを説得力ある態度で話してくれます。なるほど、年をとれば皆身体のどこも少しは変形しているのはあたりまえのこと、大丈夫なんだ!と(妙な)自信が出てきます。
②の恐怖心を克服する運動、これは後ろから手のひらを骨盤にあてて、腰を前に3秒ほど突き出すという簡単なもの。回数は気がついたら数回でよい、というもので、これならいつでもどこでもできます。
やってみて思ったことは、腰痛に限らず、いかにいろんな症状に神経過敏に対応しているかということに気づきますね。予防や対処は大切です。でもその時に「恐怖心」があると痛みを感じる回路を作っているんだ、ということを忘れずに、冷静でいることが、大事、むしろ気にしない!ほうがいいということです。身体は案外しっかり者、神経過敏の心が邪魔をしているのですね。