コラム

ウィンドミル投法

営業部

141201 141201-0 141128 141201-1 141201-2「ウィンドミル投法」という言葉を知っていますか?ソフトボールにおける投手の投げ方の一つで、「ウィンドミル」は「風車」という意味です。腕を風車のように回して投げる事からこう名づけられたそうです。
 先のオリンピックでソフトボールの上野選手が投げていた投げ方が、このウィンドミル投法です。

 実はこのウィンドミル投法に今年から息子と二人で取り組んでいます。
 きっかけは、去年の秋、息子が野球を習いたいと言い出したことでした。地元には軟式野球のチームとソフトボールのチームがあり、その両方を見学に行きました。すると最近の少子化の影響もあるのか、双方から熱心な勧誘を受けたのですが、結局はソフトボールのチームにお世話になることにしました。その決め手となったのがこのウィンドミル投法でした。

 当時、ソフトボールチームの6年生エースが投げる凄いスピードボールに、対戦チームのバッターがきりきり舞いしているのを見て、こんな凄い投手に息子もなれたらと思いソフトボールを薦めたところ、息子が最終的に自分でソフトボールを選びました。
 しかし、ソフトボールのチームに入ったからといって簡単にピッチャーになれるはずはありません。息子自身も最初は「ピッチャーになりたい」と私に話していましたが、その後試合に帯同するようになり、ピッチャーが1対0といった僅差の試合でのミスの許されない場面をくぐりぬけていく姿を見たことや、誰も助けてくれない孤独なポジションであることを理解し始めると、さすがに怖くなったのでしょうか、「僕はサードを目指す」と早々と路線変更を告げてきました。
 私自身も特にピッチャーをやって欲しいとは思っていなかったので、しばらくは忘れていたのですが、4月に入り「ピッチャーをやりたい」と息子が再度言い出しました。どんな心境の変化があったかは分かりませんが、息子なりに考えて決心したのなら、出来る限り協力してみようと思いました。そして、やはりソフトボールのピッチャーを目指すならウィンドミル投法をマスターしたいと二人で取り組みました。

 しかし、取り組んでみるとこのウィンドミル投法、とにかく分かりにくい事だらけなのです。投げ方の説明としては『足を蹴り出しながら腕を一回転させ、リリースをする際に腰骨辺りに手首を当てテコの反動を利用して投げる』とあります。説明を聞いても分かりにくいとは思いますが、実際に投げている姿を見るともっと分からなくなります。
 息子にどう教えていいかわからずに二人で試行錯誤の毎日が2ヶ月ほど続きました。すると、あまり上手くならない日々に疲れたのか6月頃に息子の方から、「ピッチャーを断念したい」と申し出がありました。私自身も疲れていた事もあり、それなら今度はショートを目指そうと息子の提案を受け入れました。
 ピッチャー挑戦は失敗に終わった、そう思っていた8月頃、息子が練習をしていると、ピッチングを見てくれと言い出しました。遊びで受けてみると、コントロールは全然駄目ですが、なんとあのウィンドミル投法で投げてきたのでした。「どうして出来たの?」と聞くと「何度か試合をしているうちに、対戦相手のピッチャーの投げ方をコピーした」と息子はケロッとした顔をして答えました。
 その後9月にチームの監督に息子が「ピッチャーをやりたい」と申し出ると、正式に許可が下り、それからは親子で毎日投げ込みの日々が続いています。

 今年のチームは強かった6年生がごっそり抜けてしまい、なかなか試合に勝つ事が出来ず、息子もたまに登板しては大量失点や、試合が作れても勝てない日々が続いています。
 ただ、親子で取り組むこの毎日はとても楽しく充実しています。息子も来年で6年生になります。おそらく父親と一緒になって遊んでくれるのは、もうそんなには長くないと思いますが、あと少し二人でこのウィンドミル投法に取り組んで行きたいと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加